日本を代表する工芸の一つである漆芸。
その歴史は長く、漆器は縄文時代から作られてきました。
京漆器は室町時代に、茶の湯文化と共に発展しました。この時代に作られた「東山時代物」と呼ばれるものは、「わび」「さび」のある味わい深いもので、まさに日本の漆工を代表するものです。
安土桃山時代になると、武士階級の好みを反映したものになり、より華麗なものになりました。そして、江戸時代になると、豪華さの中に繊細な趣を持つものが増えました。
京漆器は、昭和50年に伝統的工芸品に指定されました。優雅で洗練されたデザインでありつつ、堅牢であることが特徴です。他の産地の漆器と比べ木地が薄く、繊細な雰囲気があります。その木地のおかげで、塗り重ねても厚くなりすぎず、また丈夫にもなります。
漆器の代表的な加飾技法の一つに「蒔絵」というものがあります。漆で絵や文様を描き、漆が固まらないうちに蒔絵粉(金・銀などの金属粉)を蒔いて表面に付着させ装飾を行います。粉を蒔いて絵にするところから「 蒔絵(まきえ) 」と呼ばれています。その蒔絵のもとと考えられている、末金鏤(まっきんろ)という技法は奈良時代に生み出されました。この技法は平安時代へと受け継がれ、やがて研出蒔絵や平蒔絵になったと考えられています。
京漆器では様々な技法が用いられますが、特に蒔絵が施されたものは多く、京漆器の真骨頂であるとも言われています。
参考資料
京都府HP https://www.pref.kyoto.jp/senshoku/sikki.html
京都漆器工芸協同組合HP http://www.kyo-shikki.jp/