ある日手にとった薬草に感動し奈良でブランド立ち上げ jiwajiwa 松本梓さん

近畿

奈良の伝統的な名産品である薬草からリラックスアイテムを作る Jiwajiwa お風呂のハーブ の松本さんにお話を聞きに行きました。
大手企業で普通のOL生活をおくっていた松本さん。働き方に悩んでいた時、ある日の買い物と思い付きから、0から商品開発に挑まれました。販売開始までなんとたったの半年!
今ではjiwajiwaの固定ファンも多く奈良発ブランドとして知られています。
吉野町にIターンし、薬草を体感できる古民家”jiwajiwaな、おうち”も始めらたということでそちらに訪問しました。
松本さんがなぜ薬草ブランドに辿り着いたのか聞いていきます。

ー jiwajiwaー
「日本古来の植物の恵みが、わたしたちにじわじわと染み入り、疲れた心とからだに調和をもたらしますように」という想いが込もった名前。昔から使われる奈良県産の薬草を使ったお風呂のハーブ、 石鹸やアロマスプレー、お茶でゆっくりリラックスする時間を提供してくれます。

https://www.jiwajiwa.jp/about

◆松本さんのキャリアのスタートと転換点は?
大手ハウスメーカーに入社され、終身雇用のイメージで働いていました。
20代後半から働き方や仕事内容を自分で選べないことに気づき、独立したいと思うようになったという松本さん。
何をしようか探っていた頃、奈良に戻り大和当帰の生産者が乾燥させたものを入浴剤として売っているのを偶然見つけます。

買って帰り使ってみると、冷え性なのに入浴後も眠りに落ちるまでずっと体がポカポカしてびっくり。
こんなものが奈良にあったのかと強く印象に残りました。元々色々な入浴剤を試していて、着色料や香料が多く、食品と比べオーガニックって少ないなあとも思っていたんだそう。そんな折、奈良の生産者さんが自然素材を売っていることも衝撃で、単に薬草を乾燥させただけなのに凄い効果を実感したことが商品開発に挑戦する決め手になりました。

「自分でこれが好き!これや!と思ったものでないと続かないと思って、自分が欲しいと思ったものを作りたいという気持ちでした。自分がとても欲しいものが世の中になくて、体験として大和当帰が凄かったんです。」
穏やかな雰囲気ながら熱く語る松本さん。
そうして頭の中でパズルがハマって、商品化していく決意をされました。
大和当帰を偶然手に取ったことが全ての始まりだったのです。

◆jiwajiwaブランドが出来上がるまでのステップ

商品としてお風呂のハーブを初めて販売したのが2016年10月末ごろ。
性格上いつまでもやってしまうところがあるので、どこかで決めないとと思い、
当時万博公園での屋外マルシェに申し込んで絶対にそこに間に合わせると決めて商品開発を進行しました。
なんとその間、退職し商品開発作業に集中していたというから驚きです。

奈良の生産者さんを調べ会いに行くところから地道にスタート。
都市的な生活だったので地元に繋がりがなく、売り場でものを見て生産者さんを調べてホームページから連絡していたそうです。
まだアイデアも固まっておらず形にはなっていないけれどお話聞かせてくれませんかと。

興味があるから本などで知識も入れつつ、使い手目線で自分が欲しいものを作ることを大切にしてブレンドのパターンをいくつか作りました。それを会社の先輩に試してもらったり、読んだ本の著者に連絡して迷惑がられたりしたこともあったんだとか。

2つのことを同時に集中するのは難しいと判断し、会社をやめてから生産者さんと調整して商品開発を進め半年と少し。
jiwajiwaを代表する3種類のお風呂のハーブが出来上がりました。
大和当帰が入っているものも販売したものの、馴染みの薄いもので売れ行きは心配だったそうです。
思いの外、大和当帰の入浴剤が檜、ゆず以上に売れ、jiwajiwaは本格的にスタートしました。


◆商品開発で大変だったことは…
「お風呂のハーブ専用の袋の製造先を探すのが大変だったんです!
素材は不織布なんですが、サイズ感を重要視し、巾着になったときの形が可愛くないとだめというこだわりがあったので。」と声を大きくして語る松本さん。
今は20センチ-20センチの袋に薬草を10グラム入れて、上から5センチのところをパタパタ追って巾着の形にして仕上げています。

ただ、そのサイズだと既製品がありませんでした。
不織布の素材感とサイズのバランスでドンピシャのものがなく、0から作るにもロットが3万くらいでないと作れないと製造メーカーから言われ続けたそうです。いろいろ当たって無理ですと窓口で言われ、だめかと思ったタイミングでよもぎを仕入れていた生産者さんに悩みをもらすと、東大阪の町工場を紹介されました。訪ねてみたら7000枚程で快諾してくださり今に至るのです。

それまで既製品を手作業で加工し、夜な夜な出汁パックを切っていたのを思い出すと笑ってしまうと話す松本さんから苦労が垣間見れます。
下げたくないイメージとクオリティーがあり、そこをクリアしないと売れないという松本さんの強い想いがあって、細部までこだわったjiwajiwaが生まれたんですね。


jiwajiwaが成長していくステップとこれからの挑戦についても教えてくれました。
後編へ続く

伝統工芸学生アンバサダーとらくらは「伝統工芸を未来と世界に」をビジョンに活動する学生団体です!

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