写真:アリタポーセリンラボ 7代目弥左ヱ門
インタビュー:かっさん
大阪府立大学経済データサイエンス課程3年
祖母が丹後ちりめんの職人、父が板金会社の社長でした。伝統工芸学生アンバサダーとらくら代表、株式会社wakonartなど複数の文化系企業へ参画し、伝統工芸の継承に力を入れる。
今回は有田焼窯元「アリタポーセリンラボ」へ取材でした。7代目弥左ヱ門さんに世界的なラグジュアリーブランドに挑む戦略や取り組みを取材してきました!
“アリタポーセリンラボは、創業1804年の歴史を誇る有田焼の老舗窯元、
七代目弥左ヱ門が現代の感性と200年の伝統を独自に組み合わせて生み出した、
他とは一線を画する有田焼です。”
https://aritaporcelainlab.com/world/
写真:アリタポーセリンラボの実店舗の写真
今回の記事のポイント!
- アリタポーセリンラボは現在7代目
- 自社ブランドに注力し20億の借金を整理
- 「モダン ラグジュアリー」で世界に挑む
弥左ヱ門さん、よろしくお願いします!
はい、よろしくお願いします。
写真:アリタポーセリンラボ 弥左ヱ門さん
まず、7代目弥左ヱ門さんの自己紹介をお願いします
1804年創業の有田焼窯元アリタポーセリンラボ代表の7代目弥左ヱ門です。日本らしいモダンラグジュアリーなブランドを目指しています。
アリタポーセリンラボのwebサイトに「20億円の借金を返すために民事再生に取り組んだ」とありますが、どのようにして多額の借金を返されたのですか
当時、問屋だけに下ろす商売が基本でした。問屋への卸値はかなり割引されており、それが会社を疲弊させている原因だと考えました。そこで取り組んだのが新しいブランド作りです。新しいブランドを作り、問屋を介さず直接消費者へ届ける販路を作ることで売上を伸ばしました。
写真:アリタポーセリンラボのブランド商品
問屋の仲介がない場合、色んな壁がありそうですね。特に、問屋との関係が悪化したり。。
いえ、問屋とは変わらずお付き合いしました。従来の昔ながらの有田焼の商品は問屋へ卸し、新ブランドは自社流通で販売するという方法で、関係を維持しました。
なるほど。現在、問屋と自社の販売比率はどれくらいですか
自社が8割です
8割!?どうしてそこまで、自社で販売することにこだわるのですか
ブランドコントロールができないからです。問屋の先の消費者の顔が見えないことや、勝手に値引きが行われたりするとブランド価値が下がります。全て手作業で作るため、工数もかなりかかります。そのため職人に正当なお金を回すためにはブランド価値を維持する必要があります。
写真:アリタポーセリンラボ 弥左ヱ門さん
確かに。アリタポーセリンラボのwebサイト見て「ブランド力すごい」と思ってました。新ブランドのこだわりはどういった部分ですか
「絵柄と配色のオリジナル性」です。伝統的な絵柄をモダンにするデザインを意識しています。有田焼の良さであるマットな質感も重視し、シンプルでモダンな点が特徴です。ただ派手なイメージのラグジュアリーではなく、日本らしく上質で華やかな「モダン ラグジュアリー」目指しています。
写真:アリタポーセリンラボのブランド商品
確かに。アリタポーセリンラボの商品は「優しい華やかさ」を感じます。
アリタポーセリンラボは今後どういった展開をしますか
ハイブランドとしての認知はもちろん、自社のECや店舗での販売を強化していきたいです。中長期的にはLVMHやエルメスなどの欧米のラグジュアリーブランドに並ぶブランドに育てあげたいです。
日本発のラグジュアリーブランド楽しみです!最後に、アリタポーセリンラボの有田焼を通してお客さんにどんな世界を感じて欲しいですか
日本文化といえば「わびさび」を思い浮かべる人が多いでしょう。でも、自分たちは日本文化の「雅」な部分、華やかな日本文化の側面を伝えたいと思います。日本らしい上質で華やかな暮らしをうつわで届けたいです。
写真:アリタポーセリンラボのブランド商品
日本文化の「雅」な部分を伝える、ステキです。今後もアリタポーセリンラボの活躍が楽しみです!ありがとうございました!
編集後記
有田焼と言えば赤や緑の紋様を思い浮かべていたのですが、アリタポーセリンラボのうつわは「THE モダン」でした。有田焼独特のマットな肌触りが視覚的に伝わってきました。お金持ちになったら「特注で有田焼のテーブルをお願いしたいな」と野望を抱いています。
写真:弥左ヱ門さん と とらくら記者白江
読者へお知らせ
アリタポーセリンラボのオンラインショップはこちらです。たくさんの商品の種類があるので大切な人へのプレゼントや自分へのご褒美にいかがでしょう!オススメです!