はじめまして
はじめまして。長縄あかりと申します。
わたしは現在、大学で染織を中心に、日本の文化(歴史、思想、美術、民俗学、文学など…)について幅広く学んでいます
染織に関心をもったきっかけは高校生の時。美術科に通っており、ファインアートを学んでいました。しかし、当時のわたしにとって、美術は限られた世界の出来事のように感じました。進路を考える中で、「もっと「人間」そのものに広く関わるものはないだろうか…」と思っていたとき、「衣食住、これはどんな人間とも切っても切り離せないものだ」と気がつきました。そして、そのうちの「衣」における、”ファッション”の芸術性や、日常の衣服のありかたについて関心を持つようになりした。
また、自身のアイデンティティをさぐる中で、「自分が日本で生まれ育った日本人であること」が自己形成に大きく寄与しているのではないかと考えるようにもなりました。
そうして、「日本で育まれてきた服飾文化を探れば、日本人の精神性や今のわたしたちのルーツとなるものが見えるのではないだろうか」と思ったのです。
日本の染織品の多様性
日本の染織品をみていくと、その多様性に驚かされます。正倉院に保管されるほどの昔から、たとえ江戸時代の鎖国中であっても、様々な国の布製品が渡来し、それらを独自に発展させているのです。また、地域ごとの差も、完成した品からその土地に生きる人々の暮らしの様子を彷彿とさせます。
そして、こうしたオリジナリティある染織品は、現代を生きる私たちが身に付けることでもっと価値のあるものになると思うのです。それは、この土地に生きてきた人々の精神性を、自身の中に取り込み、アップデートしていく営みです。それこそが、伝統の継承とも言えるのではないでしょうか。
よろしくお願いします
次回からは、日本で独自に発達してきた染織について、皆さんと一緒にみていけたらと考えています。もちろん着物に用いられてきた染織品や、その着こなしなどにも着目しながら、風呂敷や畳(畳も織物です!)・絨毯、現代でファッションとして楽しまれている製品などについても触れていきたいと思います。
これからどうぞ、よろしくお願いいたします!