次世代へ繋ぐ技術 —デニム手描き友禅染「桑山」

中部

みなさんは、昔ながらの伝統技術が施されている焼物のうつわや着物などを持っていますか?「京都デニム」は世界で初めて、デニム生地に日本の伝統技術である手描き友禅染めを施したデニムブランドです。

手描き友禅染とは、、、 

京都で昔ながらに伝わる染物の手法の一つで、デザインを入れたい部分に糊を置き染色剤で染まらないようにして、他を染めてから糊を取り除き、染まっていない部分に手作業で染める糊置(のりお)き防染法といわれる染め方で、人物や花鳥などの華やかで綺麗な模様が特徴です。

今回は、インタビューさせていただいたのは京都デニムの広報の宮本さん、創設者であり、職人兼デザイナーの桑山さんにお話を伺いました。なぜ、昔ながらの生地に染めていくのではなく、誰もやったことのないデニム生地を用いたのでしょうか?そして、今後についても聞いてきました。

京都デニムの創業秘話

 元々、桑山さんの家業は呉服屋でした。しかし、歴史と共に着物を着る文化は薄れ需要が減ったため、市場に流通しなくなりました。「日本の伝統的な染めの技術を引き継いでいきたい。」そんな一心で桑山さんは、職人へのヒアリングを積極的に行い、その努力の末生まれたのが「京都デニム」です。

なぜデニム生地に?

京都デニムの最大の特徴である“デニム生地”。なぜ、デニム生地に染め始めたのでか聞いてみました。

デニム生地で作られているジーンズは、世界中の様々なブランドが商品としてジーンズを出していて1人当たりで考えると、平均して1人1本以上と言われています。もちろん、ジーンズを持っていない人もいれば、コレクターなどは40~50本持っている人もいます。そういった観点からみて、“世界中の人にいきわたっていて、生活になじみのある素材”として、“デニム生地”に手描き友禅を施して生活の中にあるブランドとして親しまれています。販売しているカバンなどの柄は、昔の先人たちが残した古典文様のデザインもあれば、桑山さんの花鳥などの創作した文様のデザインなど、様々なものがあります。

今後の商品づくり、新たに行っていくサービスとは?

現在、京都デニムではSDGsやサスティナブルなど環境にやさしい商品づくりに力を入れて廃棄を減らしていく活動をしています。わたし達が取材に行ったとき(2022/08時点)では、お客様が使わなくなった廃棄するはずのデニム生地をいただきアップサイクルしたクマのキーホルダー DENIGUMA です。

(京都デニムHP ホーム/ALL CATEGORIES/DENIGUMA )


お客様からいただくデニムの歯切れの生地の数だけ、DENIGUMAは生まれ、世界に一つだけのキーホルダーになり、新しい誰かの元へ繋がれていきます。

 今後は、デニム生地の商品を販売するだけではなく、お客様の既に持っているデニムのお洋服に長く愛着を持って使っていただくために修繕や染め直しサービスを行っていくそうです。

店舗情報:京都デニム

住所 京都市下京区小稲荷町79-3 (京都駅から徒歩約5分)

https://g.page/kyoto-denim?share 営業時間 9:00~19:00

編集後記

世界共通のファッションアイテムでもあるジーンズに着目し、日本の伝統工芸技術を掛け合わせてはじまった「京都デニム」。作り始めてみて、わかったサスティナブルというキーワードとどう向き合っていくべきか。また、若者離れが加速している伝統工芸の分野にどのように興味を持ってもらえるか。

今回のインタビューで、京都デニムさんが課題をどのように解決していくべきか、奮闘している姿が見えてきました。先人たちが受け継いできた世界に誇れる技術は、私たちが残そうとしなければ簡単に途切れてしまいます。

「新たなモノづくりの中に、古き良き技術を。」

そんな、今に残る古き良きものを大切にしていきたい。みなさんも、生活の暮らしの中に取り入れてみると作り手もわたしたちのこころも豊かにハッピーになるかもしれませんね。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございまいした!

執筆者:伝統工芸品学生アンバサダー とらくら4期 知花藍子

伝統工芸学生アンバサダーとらくらは「伝統工芸を未来と世界に」をビジョンに活動する学生団体です!

佐伯 葉奈

佐伯 葉奈

アイヌ・アートの魅力にどっぷりはまり中。都内在住の大学です!

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