駿河漆器 鳥羽漆芸
今回みなさんにお伝えしたいのが、駿河漆器の鳥羽漆芸の製品。鳥羽漆芸の鳥羽さんは静岡県の静岡市、静岡駅から少し歩いたところに店があります。鳥羽漆芸が主として作るのはうるしで塗られた多様な酒器です。その酒器は昔からのうるしの使い方とは異なる、様々な特徴を持っています。
ガラスに塗れる金剛石目塗
鳥羽漆芸は金剛石目塗という技法を使ってガラスにうるしを定着させています。ガラスにうるしを塗ってもうるしが入り込む隙間がなく、定着させることはできません。ではそれを可能にする金剛石目塗はどのような技法なのでしょうか。
最初にガラスにうるしを直接、もしくは色泊の上から塗ります。そうするとうるしが接着剤の役割を果たすため、その上から砂をまくとグラスの上にくっつきます。それによって砂でできた層がうまれることで、うるしを塗れるようになります。つまりガラス→うるし→砂→うるしといった順に層を作ることでガラスにうるしを定着させることができるのです。
カラフルなうるし
ご存じの方も多いかとは思いますが、うるしは赤、茶、黒色だけではありません。昔作りやすかったそれらのイメージが今でも残り続けていますが、実はほとんどの色を作ることができます。鳥羽漆芸でもいろんな色の製品を作っており、工芸好きにはもちろんあまり工芸を知らない若者にも喜ばれています。うるしで作られる色は白以外のほとんどの色だとおっしゃっていました。うるしのもとの色が茶色っぽい色のため、薄い色や白色を作るのは難しいそうです。私自身話を聞くまで様々な色のうるしがあることを知らず驚かされました。鳥羽さんのお話を聞くと色も、様子も質感も自在に変えられるうるしの可能性に引き込まれていきます。
これは駿河漆器の鳥羽漆芸さんのお話でしたが、うるしは地方によって様々な特徴があります。それぞれ地域の特色がどのようにうるしに表れるのか見ていくと楽しそうですね!
金剛石目塗鳥羽漆芸 〒422-8075 静岡県静岡市駿河区大坪町1−3