先日、ARLNATA×牛首紬(うしくびつむぎ)SPECIAL COLLECTION 4 in KANAZAWA しいのき迎賓館へ足を運びました!(現在、金沢での展示は終了しています)
牛首紬とは
石川県旧牛首村(現在の石川県白山市)で生産されたことから「牛首紬」という名前がつきました。特徴は「玉繭」と呼ばれる、2頭の蚕が共同でつくりあげた繭を使用することです。かつては規格外として出荷できなかったため、村内での生地に使用されました。
2頭の蚕が糸を吐き出しているため、糸が絡み合っており、織りあげると節ができます。
薄地ですが、釘抜き紬と呼ばれるほどしっかりとした生地です。”軽くて丈夫”という品質はまさに最高のものだと感じました。
お話を伺って
展示会場にいらっしゃった、加賀乃織座(西山産業開発株式会社)代表取締役専務の西山博之さんから、牛首紬だけにとどまらず、伝統産業全般に関わるこれからの展望をお聞きすることができました。
西山さんはこう語っています。
「日本で生産される生地は品質が高く、世界でも通用するもの。しかし、今までは着物だけに特化し、閉鎖的な世界でしか利用していなかった。日本人のライフスタイルが変化する中、着物の需要が減れば生地の生産も連鎖的に衰退していくことは必須。時代に合ったものを作り出す、チャレンジ精神が今の伝統産業には求められている。」
伝統産業をとりまく現状から課題を見つけ出し、真摯に向き合おうとする西山さんの思いに非常に感銘を受けました。
ARLNATA×牛首紬
SPECIAL COLLECTION 4
今回の展示では、「エルメス」出身のデザイナー、寺西俊輔氏による新ファッションブランド「ARLNATA」と牛首紬がコラボし、「伝統の新たなかたち」を発信しています。
着物という従来の形にとらわれずに新しい価値を作り上げていこうとする姿勢からは、高い品質を保証する伝統技術をベースとしながらも、時代に合ったものへと改良を加えていく、まさに温故知新の精神を感じることができました。
- 角印・牛首紬オフィシャルホームページhttps://ushikubi.co.jp/
- ARLNATA(アルルナータ)ホームページhttps://arlnata.com/