ご覧いただきありがとうございます。工芸×お茶の世界を旅する、りりちゃと申します。今回は茶道の「作法」、なかでもお茶を口にする場面を切り取って深掘りしていきましょう。
お茶をいただく流れ
まずはお茶(お薄)をいただく流れを簡単に。(※流派によって異なりますことご理解ください)
1.掛物、花、花入、香合を拝見する
2.炉(夏は風炉)と釜を拝見する
3.席に着く
4.となりの人に「お先に」と告げ、お菓子をいただく
5.お茶をいただく前に亭主へお辞儀する
6.右手で茶碗をとり左掌にのせ、右手を添えて軽く茶碗を上げ感謝を示します。
7.茶碗の正面でいただくことをさけるため、右手で時計回りに2度回して味わいながらいただく。
8.茶碗の飲み口を右手親指と人さし指で軽く拭き、両指を懐紙で清める。
9.茶碗を反時計回りに回し、正面を戻して右手で置く
10.茶碗を畳の縁外(へりそと)において、両手をついて全体のかたちを拝見し、 茶碗が出された位置に返す。
お茶碗を「回す」ことで表したいこころ
それでは、手順6.や手順8.で見受けられる「お茶碗を回す」という行為に着目します。
なぜお茶碗を回すのでしょうか。
それは、茶碗にそれぞれ「顔」「正面」があるからです。
亭主(茶事の際、会を催すための中心になる人のことで、茶事に招いたお客さんを接待する人)は茶碗の正面をお客さんに向けて出します。それに対し、お客さんは謙虚な心や感謝の心を伝えるためにお茶碗を回し、「正面」からいただくことを避けるのです。
一場面を切り取るだけで分かるように、茶道には相手への心遣いのこころが内包されていますね。私も茶道のお勉強を通じて、「心遣い」を学んでいきたいものです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
りりちゃ