1on1取材記事:伝統工芸とは

はな

とらくら記者:はな

神田外語大学国際外国語学部国際コミュニケーション専攻4年。趣味はアクセサリー・小物づくりや編み物。デンマーク留学を期に、日本の伝統工芸・文化に惹かれとらくらに応募。好きな言葉は「和洋折衷」

微生物の世界からみる日本酒造りと伝統工芸

日本酒づくりを通して日本の伝統と関わっている山岸くんに「伝統工芸とは」を聞きました。

今回の記事のポイント

  • とらくらメンバー山岸くんの生物×お酒から始まった日本酒づくり
  • 伝統工芸と微生物には共通点がある!
  • 小さな変化が繁栄に繋がる

日本酒造りを始めたきっかけ

高校生の頃から生物学について勉強を始めた山岸くん。学びが深まるにつれ「微生物」の存在の偉大さにはまっていきました。「世界は微生物が回してるんですよ。」私たちが今地球上で生きるための窒素は微生物が作り出しているそう。日本酒造りにも微生物の力は必要不可欠です。日本酒は主に米と水によって作られますが、美味しさの秘密は微生物がもたらす「発酵」で、温度が高くなると微生物の動きが良くなったり、水を減らすと発酵速度が遅くなったり、美味しい酒づくりは微生物との阿吽の呼吸で成り立っています。日本酒の美味しさと生物のおもしろさに惹かれ、東京の酒蔵でアルバイトを始めました。

日本酒づくりの中で興奮する瞬間

「一番面白いのは、理論から外れた時ですね。」日本酒造りや、微生物の動きの特徴は、長い歴史や研究の中で流れが予想できるようになりました。しかし、山岸くんが働いている酒蔵では米と水以外にもお茶やビールの原料などを掛け合わせてつくるため、微生物が予想外の働きをしおもしろい香りや味を生み出すことがあるそうです。微生物と日々関わる蔵人ならではのおもしろさですね。

とらくら参加のきっかけ

日本酒に詳しくなってくると、自然と日本の地方の土地にも目がいくように。元々アートや日本特有の物に興味があったため、日本酒から派生し各地の日本の伝統・文化に興味を持ち始めたそうです。

伝統工芸と微生物

伝統工芸と微生物には共通点があると山岸くんは言います。それは、「微妙な変化と繁栄」です。伝統工芸は、本質は変わらず、しかし時代に合わせて少しずつ道具や手法、デザインを変化させて現代まで受け継がれてきました。微生物の遺伝子にも変化しないように修繕システムが盛り込まれていますが、実はそのシステムは完璧ではなく微妙な確率で変化をおこし、繁栄につながっているそうです。現代の環境に合わないものは淘汰され、変化をおこしたものが生き残り、また本質は受け継がれていくこの構造は、伝統工芸・微生物どちらにも共通しています。

日本酒で大切にしている循環づくりを伝統工芸でも

「人間のエゴで自然を壊したところを、人間のエゴで酒にして楽しみたい。」以前小田原にあるみかん畑を訪れた際に、品質管理のため間引かれてしまった多くのみかんを発見しました。いつもは捨てられてしまうその間引かれたみかんを利用して今後新しいお酒を作りたいと考えています。このような、無駄を無駄にしない「良い循環づくり」を今後伝統工芸の分野でも見つけたり取り組んでいきたいそうです。

山岸くんにとって伝統工芸とは

「日本各地の『やばい風土性』『やばい歴史』『やばい多様性』が詰まっているもの。その土地でしか作れないものは間違いなく価値があり、今後観光立国になるであろう日本にとってとても重要なコンテンツになる。」上記で述べたように、伝統工芸と微生物には共通点がありますが、伝統工芸は微生物と違い、”意識して”様々な変化をつけることができます。本質を変えず伝統を尊重し、ARなど現代の新たな変化に飛び込むことで伝統工芸をより一層盛り上げることができるのではないでしょうか。

最後に、山岸くんの今後の酒造りについて

日本酒業界という「伝統」が強く出る世界の中で、日本酒の多様性を増やすのが今後の目標。お酒と地域に根ざした資源を掛け合わせ新しい可能性を探っていき、若者が持っている「日本酒は苦手」という意識を少なくしていきたい、とのことです。どんなお酒が誕生するか、楽しみですね。

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