◆ 工芸×美術館~観る工芸って?
工芸というと、日々の生活の中で使われるからこそ美しい・「用の美」という考え方がると思うのですが、それとは真反対の存在?が、美術品としての工芸です。 とらくらでは、主に「用の美」としての作品を取り上げることが多いと思うのですが、このシリーズでは、あえて「美術工芸」と呼ばれる、観て楽しむ分野の作品を取り上げようと思います!
◆ なんで、美術工芸が生まれたの?
江戸時代には、生活の中で使われる道具やものは、ほとんど家庭内か職人の手によって作られていたものでした。つまり工芸=手工業という時代だったと言えます。しかし、開国によって富国強兵がすすめられる中、欧米式の生産方法=機械工業が入ってくるようになると、工芸の工業的な側面はこうしたものに置き換わっていきました。
また、万博などで日本文化が紹介される機会が増える中、日本文化を背負って立ったのも工芸作品たちでした。普段使いの工芸作品ではありえないような豪華な装飾や細密な描写などを用いて、その技術力を世界に発信してきました。
こうした時代背景の中で美術工芸という分野が生まれてきたと言えます。
◆ さいごに
これから、様々な美術工芸の作品を取り上げていきますが、みなさんが「これは好き!」と思える作品をひとつでも見つかればいいなと思います。
それでは、「観て楽しむ」工芸の世界に出発しましょう!