◆jiwajiwaが成長していくステップ
マルシェで売れなかったらそこでやめるつもりで始まったjiwajiwa。
多くの女性が集まるマルシェで、薬草のブランドが受けなければそもそもニーズがないと判断しようと思っていたそうです。
自分がやりたいことでもその時代やニーズに合わないものは続けられないと決めていました。
百貨店の展示に出ないかとバイヤーさんに言われ、屋外のマルシェからそういった展示会に呼ばれたことから、また次のステップを踏めるんだと確証をえた松本さん。
そこからは売っていくフェーズ。
お店に試しにおいてくださいとお願いし、リピーターがつくまでしっかりお店の方とコミュニケーションとりながら関係性作る形で販路を開拓していきました。
たった3種類のハーブだけではお店で取り扱いづらいと言われたこともあり、商品を増やす壁と在庫のリスクのバランスを少しづつ様子見しながら商品数が増えていきました。
jiwajiwaが大切にして欲しいゆっくりする時間に使えるアイテムをずっと構想していて、
比較的新しいアロマスプレーも忙しい日々の中でリラックする時間をとって欲しいというところからできあがっていきました。
まずは素材との出会いがあって、仕入れている生産者さんのこの素材でこれができるとか、ここに石鹸を作ってもらったらこういうものができるのではなど色々妄想しているそうです。

事業を立ち上げる上でのアドバイスも聞いてみました。
「なるべく、小さく、コストをかけずに、カッコよく」
なるべくコストをかけないというのはどこまで行っても必要で大事なことだと思うと教えてくれました。
例えばお風呂のハーブ。
パッと目を引く可愛いイメージがいいと思って1つ1つデザインを変えていますが、別々に依頼するとコストもかさむし機動力も必要で、新しい商品をリリースしづらくなっていました。
物販は一定の数を売った中で利益が幾らかという非常に緻密な商売。
小さくコストも抑えて始めるのが得策なのですね。
やりたいものを形にするスピードの速さも大事で、最初は1人で走ったのもよかったそうです。
全部1人で立ち上げるのは大変だったものの、自分で決めて誰とやるかも自分で考えてやっていけるのが何より楽しいところ。
ただ、1人で走って作ったものをベースに進めるのと最初から数人の同志で考えながら立ち上げるのでは全く違うものができます。
あーでもないこーでもないと悩んでも誰もアドバイスしてくれる人がいないのも大変です。
次に何かするなら、数人であーでもないこーでもないと形にしていく作業を楽しむと、ブランドや商品により愛着が良いものができるのではないかと考えているそうです。
◆これからの挑戦についても教えてくれました。
お茶や染め物など、薬草には様々な使い道があります。
お風呂のハーブ以外の使い方や奈良の木材のアイテムも探って発信すべく挑戦されています。
松本さん自身が欲しいと思っていなかったけれど、作り手さんとの出会いで生まれた色々なアイテムも準備しているそうです。
また、奈良県吉野町のお家をjiwajiwaの世界観を体験できる空間にしていく計画があります。
最近まで新大宮という大阪も京都も近く便利な場所に住んでいた松本さん。
jiwajiwaを動かしていく中でブランドの世界観に近い自然の中で暮らしたいと思い移住先を探し始めたそうです。
仕入れ先の農家さんから吉野町でちょうど次の住人を探している人を紹介してもらい、本格的に移住が決まりました。
DIYもお店も自由にしていいという大屋さんだったので、色々構想をしているところ。
そのお家は目の前に山があり、庭も広く色々な植物が生えていて美しい場所です。
庭に向いて開けたウッドデッキがあり、日の光がよく入ってくるだけでなく風通しも良い最高の空間でした。
このお家に出会って、宿泊やマルシェ、ワークショップをできるようにして、jiwajiwaの世界観を伝えられる空間づくりをしたいと考え始めたそうです。
ウッドデッキには、乾燥したミモザや桜の木、薬草が置いてあり、植物の足湯や草木染めができるようになっています。

伺った日は吉野檜の一枚板をjiwajiwaの石鹸で艶を出し仕上げるソープフィニッシュをさせてもらいました。
製材した板の表面に石鹸をお湯に溶かしたものを塗りつけるという仕上げ作業です。
手で塗りつけて乾かす作業を何度か繰り返しヤスリで磨いて仕上げました。
塗る前と後を比べると本当に艶が出ていて、ほのかな石鹸の匂いも心地よかったです。
石鹸に触れた手も艶々でいい匂いになり、暖かい陽気も相まってじわじわリラックスできる体験でした。

jiwajiwaはこんなゆったり流れる穏やかな時間を演出するアイテムと体験を提供してくれます。
これからも新しい商品を開発し、台湾や香港をはじめ海外への販路も模索していきたいというjiwajiwa。
薬草文化が根付く奈良からそのエッセンスを世界に発信していくブランドになっていきそうです。
奈良県民としてもスキンケアグッズ好きとしても応援していきます!
もしjiwajiwaのハーブに興味がありましたら、ぜひ実際の商品を試してみてください。
匂いや色は一般の大量生産品と比べ強くなくて、本来のハーブの香りと色、効果をしっかり感じられます!
この記事を書いた人
南綾香(みなみ)
奈良生まれ奈良育ち。今もリモート環境のため奈良で活動中。
吉野アンバサダーをきっかけに、吉野杉や奈良の素材で雑貨制作を始め、奈良の工房の取材記事も書いています。
https://www.instagram.com/naraexperiences.minami/?hl=ja